手甲について 鷹匠起源説や名称の違いや手袋との曖昧な区別について

コケムシです

皆さん手甲はつけてますか?

つけてるわきゃあねぇよなぁ!

 

という訳で、手甲についての記事書きます

 

タイトルにもある様に「篭手や手甲」と呼ばれる服飾物に対するアレコレです

と言っても特に深く研究できる物でもないので、そんなにページはありません

 

因みに手甲と篭手の違いについての記事も書きました

ご参考にどうぞ

kokemusigawa.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

手甲とは

 

ja.wikipedia.org

手甲って言うと皆さん思い浮かべるのは、時代劇に出てくる旅人が二の腕にはめたアレを思い浮かべる事かと存じます

(二の腕は本来肘から手首の事を指します 現代で二の腕と言われているのは一の腕と呼ばれますが上腕二頭筋と混同され二の腕と間違えられています)

(決して誤字ではないのであしからず)

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これイメージなさるでしょ

 

使用用途としては「日焼けから守る為」と言われたりしてますが、元々はそうじゃないと思うネ 儀等は

 

多分こういう腕を防護する服物は原始的なもんだったと思います

なにせ手は、茂みを歩いてりゃ知らん間に草負けしてる事はしばしば

そりゃ防護したいって気持ちは原始人も湧くでしょ

 

しかし手袋みたいな形状のものがそう安々と作れる訳もなく、この簡単な形状に落ち着いたんだと思います

ぶっちゃけ三角形の隅に中指通す穴開けたら、原始的な物は作れますからな

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起源においては、鷹匠埴輪の手に手甲状の物が見られる事から「鷹の爪から手を守る為かも」という説があります

 

基本的に今の時代使ってる人は農家のおばちゃんくらいでしょうか

「茶摘女」が使ってるイメージもありますが、今はどうなんでしょね

 

 

 

 

 

 

 

手甲の形状

 

手甲の形状は名の通り「手の甲」を覆うもの・・・

かと思いきやそうじゃない場合もあります

 

手の甲を覆う手甲の形

手の甲を覆わないで腕に巻き付けただけの腕貫の形

親指が出るミトンの形

 

といった感じで様々な形が見受けられるのです

 

手の甲を覆うモノが一般的なイメージですが、色々な形状があるんですよ

 

他にも甲ではなく掌を覆うタイプもあったりするなど、バリエーションは様々で一定してるものじゃないです

 

手甲か手袋か区別がつかない形状のモノまであり、名称までバラバラです

 

 

 

 

 

手甲と手袋の名称

 

手甲の名称についてなんですが、上述の手袋状のモノを「テッコウ」呼ばわりしたり、手甲状のモノを「テブクロ」呼ばわりする等、日本人による日本語らしさが見て取れます

(っつーか聞いて取れる)

 

手甲状の名称

イガケ 群馬県 長野県

エガケ 長野県

コーカケ 愛媛県

コテ 富山県 滋賀県 京都府

コデコ 秋田県

コバアテ 福島県

サメツラ 新潟県

チョウソイ 岡山県

ツカミゴテ 新潟県

テオイ 青森県 秋田県 群馬県 愛知県 岐阜県 京都府 奈良県 山口県 香川県

テーナー 沖縄県

テカエシ 東北

テギン 熊本県

テクリケヤシ 秋田県

テケェス 東北

テコ 青森県

テゴイ 徳島県

テコウ 長野県

テコボシ 熊本県

テサシ 山形県 奈良県 和歌山県 岡山県

テジャラ 青森県

テゾラ 山口県

テダスキ 滋賀県

テッカ 岩手県 秋田県

テッカイシ 東北 青森県 岩手県

テッケシ 秋田県

テッコウ 東京都 大阪府

テッパメ 青森県

テドオラ 広島県

テベ 長野県

テボ 青森県

テボコ 青森県

テンブクロ 京都府

ナガテオ 青森県

ニキリ 三重県

ニキレ 三重県

ハンコテ 新潟県

ユガキ 長野県

 

手袋状の名称

テグツ 奈良県

テッケシ 秋田県

テッコ 山形県 福島県 千葉県

テッパメ 青森県

テベ 長野県

テボッカ 長野県

テワラ 岡山県

ワラテケシ 青森県 秋田県

 

赤文字は共通の呼称を持つモノです

 

 

 

町とか郡は割愛しました

やってらんない

 

でもまぁこんな感じで色々あるんですね

京都の梅ヶ畑村では「テンブクロ」とか読んでるしもうゴチャゴチャ

 

手甲と手袋、両方に共通してるモノがありますが区別は曖昧で結論が出てません

 

また手甲の「甲」を覆う部分の名称ですが、まぁコレも様々ですね

kotobank.jp「また先端の手首より先の手甲を覆う部分を手覆(ておおい)という。籠手は古くは手纏(たまき),室町時代には手蓋(てがい)ともいった。」

 

と書かれていますが他にも

 

ヤマ

シャモジ

サメ

鯰頭

 

という呼称もあります

形は概ね半円状か三角形

上述の通り手の甲ではなく掌を覆うモノもありますが、含まれるかは定かじゃないです

 

まぁ含んでもイんじゃね?

 

因みに甲冑だと「親指と人差し指と残り三本の指で3つに分けた篭手」があったりします

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これは紐を指に通すのではなく、指の半分だけ入れるポケット状の袋に五本指を3つに分けて入れます

人差し指も分けられたミトンみたいな形状してます

 

これも広義には手甲と言って差し支えないでしょう

 

 

 

 

 

 

ついでに手袋について

 

手袋っていうのは西洋から伝わったと言われていますが、日本では布製じゃない手袋も作られていた様です

 

そりゃまぁ皮革で作られるのは当たり前なんですが、っていうね

 

上述した通り

「テワラ」

って言いますからね

藁製だからなんですよコレ

 

ただ藁製の物は、その殆どがミトンの形をしてます

 

実は布製の物も、昔はミトン型が多かったそうで「手袋」呼ばわりしていたそうです

また、指先が無い状態のものがあります

 

指貫グローブじゃないぜ?

ミトンの指先だけなくした形状って事

 

なにせ五本指の手袋作ろうったら、すげぇ難しいですからね

そんなメンドクサイ事したくなかったんでしょう

 

因みに布製の名称にも

「テワラ」

が使われている事から、藁製のモノが布製より先に存在していたと思われます

 

 

 

 

 

 

最後に

 

手甲ってのは世界の服飾文化でも珍しい形状してるモノで、日本の服飾文化の特殊性が垣間見れる物でもあります

 

今となっては手袋の台頭で見かけなくなったものですが、この記事を機にファッションとして取り入れられる事を望むばかりです

 

それに手首を包むとね、めっちゃ温かいんですよ

ここにも書きましたが、手先が不器用になる手袋より手首を温める手甲の方が儀等は好みです

指悴まないもん

 

上述の理由から儀等は手甲オススメします!