餅や桃、蟹等が意味するモノとは? 日本における言い伝えについてメモメモ

コケムシです。

 

最近民俗学の研究に没頭してる事が多いです

 

日本において、色々なモノが意味を持って使われますよね?

菊の花は皇家の家紋とされ、日本では基本的に使う事を忌諱、畏怖して葬儀にしか使わない花です(昔は武士が食べたら怒られる程、扱いに慎重になる花だった)

 

ですが他国では皇家を知らないので、贈り物等にも普通に使われます

 

こういう違いは色々あります

 

月はアジア全体で綺麗なイメージがあり、鑑賞する事は昔からプラスイメージがありました

 

対して、ヨーロッパでは夜=悪魔と言う教えが広まっており、事実山村では野獣の被害も少なくない為に月もイメージが悪かったのです

英語ではキチガイを意味する言葉として「Lunatic」と言う単語がありますが、コレ実は月由来の言葉で、あんまりいいイメージがなかったみたい

 

月を見ると狂うと言った伝承があったんですな

 

こういった事を調べているとまぁ日本の言い伝えなんかも結構残ってるんです

やれ餅がもちもちだ、蝶がてふてふだ云々(?)

 

そこでちょっとメモっとくついでに、ここに書いときます

 

ただ地方によって言い伝えられてる内容が違う事もよくあるので、細かい所は自力の研究でお願いしますよ?

 

 

 

 

 

 

 

梅について

 

梅といえばどういうものでしょうか?

「天神」ですよね

日本古来から梅は愛されてきましたが、菅公が詩に読んだ事で「天神の花」と考えられる様になりました

 

菅原道真は学者として大変な賢人であり、政治家としては当時の税制を変えたり民衆に寄り添った考えをしていた貴族でした

武芸にも秀でた事から武神として祀る社もある程です

 

そして何より、神として畏れられる様に成った経緯である「復讐の神」です

 

藤原氏に対し雷を落として胸を貫き殺した事から、以前から続いていた藤原氏の変死・怪死事件の決定的元凶として畏れられ、慰霊の為に社を建て奉った事が始まりとされます

 

梅に含まれる意味は天神という強い印象がある為、「復讐」の形象とも言えるでしょう

 

 

 

 

紙垂について

 

雷の形象と言われますね

天神としての意味合いを強めます

そんくらい

 

 

 

 

桃について

 

桃というのは中国に始まり、東アジアに置いて「神聖」を意味する植物です

伊邪那岐が黄泉の大群を撒いたという伝承でも「桃を三つ投げたら嫌がった」という話があります

なにか強い神聖を持った物として描写されるのが桃です

 

というのも女性器に似ている為、「神聖な力がある」と考えられたのではないかという説もあります

女性器に関しては世界的にも特殊な意味がもたらされます(他者が産まれるんだから当たり前である)

それらは土偶として非常によく遺されていますね

 

桃の字の由来についてもそういった説があります

 

ただですね・・・コレ「雷神退散」の意味合いが含まれるんですよ

 

桃と梅って似てるよね・・・

 

 

 

 

餅の力

 

今となっちゃ餅なんて正月くらいしか食わんですが、昔は色んな時に食ってました

 

特に神事です

神を祀る儀式や祭りの際には、よく餅が聞食されていました

 

というのも餅には「神聖な力がある」と考えられていたからです

 

餅を食い、強い力を持とうという考えですね

「力餅」ってあるじゃないですか アレです

 

出棺の際には、死者と近しい年齢の者や親族は餅を食い「連れて行かれない様」にします

 

「耳塞ぎ餅」という習慣もあり「死者の誘い」から身を守る・聞こえない様にするといった習俗もあります

んでその餅は川に流したりしてオサラバです

ja.wikipedia.org

 

声が聞こえない様にするだけでなく「誘いの声を餅が代わりに吸収する」という考えがあったようです

 

壁に餅張ったら良い防音になるかもと思って隙間なく張ったら、呼吸困難に成った挙げ句大家さんに怒られました

 

 

 

因みに雑煮がよく連想されますが、正月だけに食う物って訳じゃないです

考えてみたらそうですよね、ただ餅と具材を煮るとかいう雑な料理ですし食いたい時に食うよそりゃ

 

と言っても秋山紀行にもありますが、昔の人って粟とか稗食ってたんですよね

 

 

客人が来た時だけ米食うとかなんとか

 

じゃ、餅は?

 

ってなるじゃないですか そりゃ滅多に食べられない御馳走という扱いだったのやもしれんです

例えば正月とか言うめでたい時

 

それが広まったのかもしれませんね

もしくは餅を食う事を拒む者が多かったとか?

 

それと「餅搗き」になんですが「婚ぎ」

つまり「性行為」の隠語でもあるんですよ

 

白いからなのか、柔らかいからなのか、音なのか・・・

はたまた全部か

 

 

 

散々書いといてなんですが「餅飲み」だけはすんなよ

www.town.shiroishi.lg.jp

 

 

 

蝶とうんこと死

 

現代でてふてふって言ったら「キレイ」とか「かーわーいーいー」の対象ですよね

 

しかし昔はかなり悪い形象として扱われていた様です

根強く死の象徴として扱われてきました

 

というのも蝶は花にだけ飛んでくる訳ではないんですよ

 

犬のうんこに水分を求めて寄ってきます

 

んでウチの猫の餌食になります

 

アイツ等しょっちゅう獲ってくるけど埋葬するのいつも儀等やぞ・・・

 

んでまぁ勿論、死体にも群がったりね

 

 

なんでも山の死体には群がってるのが見られるとか

死体と言えば元は生き物ってイメージがありましょうが、成分の構成上「老廃物や排泄物」と大差ないです

そりゃ寄ってきますよ

蟲共からすりゃ生きてないなら死体も糞尿も大差ないです

 

人間でも事故死した動物の死骸を食べてる人が異国にいますしね、やっとる事変わらんですよ

 

勿論戦場なんかはそりゃうじゃうじゃいたでしょうな

蛆が湧き、鴉が群がり、蝶が貪る

そんな光景も見れた事でしょう

 

実際昔話で「戦場に蝶が群がる」という話が遺っています

 

よしんば死体に群がらずとも、死体から湧く糞尿には誘われた事でしょう

 

そんな蝶々、方言なんかでは「地獄蝶」や「極楽蝶」と呼ばれたりします

 

蝶は死体に群がるという形象としても使えますな

 

和柄に美しい蝶が描かれないのは何故かと思っていましたが、この様に日本が西洋化して印象がズレていたのが原因だったんでしょうね

 

しかし

ja.wikipedia.orgこの様に邦楽でも蝶を象った踊りがある辺り「死の形象として絶対的なモノ」ではなかった事も考えられます

 

また、戦国武将の兜には蝶の前立があったりと、縁起が良いモノと捉えられてもいました(不死性の象徴として考えられた)

 

なんも知らん人が見たら綺麗だしね

 

 

 

 

蟹になりたいね

 

蟹ってどんなイメージありますか?

やっぱ北の大地のおっきな蟹ですか

ズワイガニとかね

 

 

でも日本において蟹ってちょっと変わったイメージがあるんですよ

「子守」です

 

なんでも貴族の子供の着物柄には蟹柄があしらわれたと言います

伝承なんかでも「子供を守る」役柄として描かれるんですよ

 

少女に助けられた蟹が、その後少女を守る為に家族総出で蛇を追い払うという物語があります

www.weblio.jp

 

子供に優しいんですね

 

 

 

そんな蟹に、私はなりたい。

 

 

 

 

 

 

両極性な蜘蛛という形象

 

蜘蛛のイメージって悪いですよね

ですがネットが普及して「蜘蛛は益虫」って事が周知される様になりました

いい事です

 

因みに昆虫じゃありません

カブトガニとかが仲間の「クモ」っていう生物です

 

では本題

 

そんな蜘蛛ですが、やはり有名なのは「朝蜘蛛と夜蜘蛛で扱いが真逆」という事でしょう

 

と言うのも地方によってバラバラなんですね

ある地方では

 

「朝蜘蛛は縁起がいいので巣を壊さない」「蜘蛛を升で受け止めて神棚に供える」「箪笥の中に一日入れとく」

 

と言って朝蜘蛛を尊ぶんですが

 

「夜蜘蛛は縁起が悪いので追い出す」「泥棒に入られるから殺す」「なんか気持ち悪いので殺す」

 

等、夜になった途端掌返すんですよね

 

しかもコレ土地によっては引っ繰り返るんです

朝夜の扱いが真逆になる土地もままあるんですよ

 

コレがなんなのかは解りませんが、かなり両極性な扱いです

何処が発祥なんでしょ?

 

因みに中国には「夜に蜘蛛が巣を張ると親しい人間が訪れる」という俗信があるそうな

他にも糸を薬にしたりしてね

 

こんな扱いの蜘蛛ですが「ササガネ」と呼ばれたりします

語源は「ササガニ」

つまり蟹なんです

kotobank.jp

 

と言っても蜘蛛と蟹が見た目似てるから、そういう風に言われてただけなんですけどね

実際は関係ないです

よく蟹と蜘蛛が仲間だなんて言われますが迷信ですよ

 

 監督は黒澤明です

 

また「雪迎え」という言葉がある様に、冬の訪れを風物詩として考えられても居た様です

kotobank.jp

 

 

 

 

 

 

最後に

 

ここ最近研究や仕事が忙しく、あまりに更新しないでいましたね

どうも気が弛んどります

 

ちょっとづつでも書いていく様にしたいと思いますんでまた来てね

 

ただあんまりネタになる事もないのでおもしろくはないかも・・・・・